認知届
法律の形式に則って結婚していないのに、生まれてきた子供は、母親の戸籍に入り母親の姓を名乗ります。
このとき戸籍を見ると、子供の欄には、父親の名前は戸籍には記載されません。
法律的には、父親と子供は他人ということになります。
認知届を出していない状態の戸籍例
筆頭者 藍山愛子
子 藍山 太郎
【父】 ←ここが空欄状態
【母】 藍山 愛子
子供と法的に親子関係を結ぶには「認知届」を提出する必要があります。
そうすることによって、戸籍に父親の名前が記載されます。
認知届を提出すれば、未婚で子供を生んでも法的に親子関係が成立します。
この認知届の効力として、認知届が受理された時点で、出生までさかのぼって正式な親子関係(ただし、非嫡出子として)ができることになります。
認知届を出した状態の戸籍例
筆頭者 藍山愛子
子 藍山 太郎
【父】 佐藤 一朗
【母】 藍山 愛子
つまり、もともと出生の時からすでに正式な親子関係があったと、法律的に解釈されることです。
法律的な効果を受けるので、相続の権利や、親子相互の扶養義務などが生じます。
相続の権利の場合、子供は非嫡出子(ひちゃくしゅつし)となるので、父親の実子の半分の相続権が認められます。
日本では、非嫡出子に対する差別がいまだ続いているので、全額ではありません。
認知の際の同意が必要な場面
この認知の手続きでは同意が必要な場面が2つあります。
- 子供が胎児の時
父親が子供を認知するのに、母親の同意は不要ですが、子供が胎児のときは母親の同意が必要となります。
- 子供が成人している時
子供本人の同意が必要となります。扶養義務が発生するため、お金が絡んでくるからです。
子供が父親の戸籍に入るためには認知届だけではダメ
戸籍上で子供が父親の戸籍に入るためには、認知届だけでは不可能です。
家庭裁判所に「子の氏変更許可申立」をして、許可がでてから改めて「入籍届」を提出することことになります。